「e-案山子」からのデータを携帯とパソコンで確認する関係者 |
JA淡路日の出は、田畑に設置して気候や土壌のデータを蓄積したりするなどの各種センサーを搭載したシステム「e-案山子」を洲本市大野地区の水田で試験的に導入した。稲刈り時期まで設置し、「水稲の高温障害対策」をテーマにデータを収集していく。
ソフトバンクモバイル(東京)が、ネットワークを利用して農業に活用しようと商品化を目指している農場管理システム。各種センサーを搭載した高さ1.2メートルの「案山子」を田んぼに設置し、相互の案山子や案山子とパソコン・携帯電話の間で情報をやり取りし、蓄積・共有できる。
兵庫県と島内3市が共同で取り組む「あわじ環境未来島構想」には、農業のIT(情報技術)化が盛り込まれており、「e-案山子」について昨年12月に洲本市で説明会があった。JAは、営農活動に活用できると試験導入を申し込み、7月初旬と下旬の2回にかけて、洲本市内の水田3カ所に設置した。
昨年は島内で高温障害が多発し、特に穂が出る前の数週間の環境が影響するとして、この時期から設置した。案山子がセンサーで水温や地温、気温、湿度、照度の数値を10分毎に収集し、データを分析する。これまでの農家の勘や経験にプラスし、データに基づいた適切な営農に結びつけていく。
(2011年7月)
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